2012年度 合意形成研究会 総会&研究会 議事録

 

日時:2012526日(土)15:0018:00 

場所:サロンSHU(西新橋)

ゲスト講師:片山真矢氏

(品川区役所 河川水道課 水辺の係 防災まちづくり事業部

出席者(敬称略)上杉、児玉、斉藤、竜野、橋本、武、松岡、松本、丸尾 (五十音順)

 

 

〈議事録〉

 

〈総会〉 15:0015:30

資料:丸尾氏作成、研究会内容と会計報告

百武理事長の挨拶後、事務局長の丸尾氏より昨年度の研究会内容と会計報告と、今後の活動内容について説明。

〈今後の活動内容〉

・他団体との連携強化、組織人材の育成を推進する。

今まで話し合った、いくつかテーマかあったが、そのテーマを今一度考えることが必要。小冊子作成だけでなく全体を見直して足りないところはないか協議する。

HPの充実、活用。待ちの姿勢ではなく、こちらから投げかける姿勢で取り組む。コラム記事募集とリンクしてくれるHPの呼びかけを行う。

 

〈講演〉 15:30

「講義内容」:津波・高潮対策事業

「話題提供者」:片山 真矢

       (品川区役所 河川水道課 水辺の係 防災まちづくり事業部 津波対策

        担当)

資料:片山氏作成、パワーポイントと津波対策防災資料

 

津波・高潮対策事業について

東京都はもともと津波が来ないとされ、高潮対策に力を注いでいたが、昨年の東日本大震災を受けて津波対策強化を始めた。大震災後は津波に対する住民の関心が高まり、津波に関する情報の問い合わせが相次いだ。そのため区としては予算を組んで津波対策強化を開始。

今までの津波と高潮の対策の実施結果を、コンサルタントに委託して調査した。標高図と自分の知りたい場所の標高を調べるソフトを開発し、区のホームページで公表すると、アクセス数が多く住民の関心の高さがわかった。標高図は地域に配布するちらしにも記載した。品川区は三陸沖のリアス式海岸と違うので、あまり高い津波は来ないことも説明した。

 

想定外を想定する

「品川区は高い津波が来ないのに、なぜ津波対策をする必要があるか」という声があるが、想定外を想定していく必要があると感じ今後も津波対策は継続して行う。

 

「津波自主避難マップ」ハザードマップの導入

区民自らが行動できるよう、避難場所や安全だと思われる場所を各個人が書き込めるようなマップを作成した。白紙の情報から、自分で逃げ道を探して、平常時に街を歩きながら自分で作成していくもの。他区が発行しているような、行政が書いた情報だけが載っているマップではない。

 

ワークショップについて(助けられる人ではなく助ける人になりましょう)

津波避難モデル地区をいくつか設定し、そこでのワークショップ(全4回)を予定している。最初はいくつか設定したモデル地区の全員を対象にワークショップを行い面的対策につなげる。総まとめとして、ワークショップの最後にフォーラムを開催し、区民に広く情報を開示する予定。また、低層地にある高層ビル管理者や地元の企業には、災害時には駆け込み寺の役割を担ってもらうよう推進していく。ワークショップには、警察や消防、児童に関する職務についている方は必ず出席してもらうようお願いしている。

 

マニュアルについて

ワークショップを通してわかった作成手順や作成事例等を記載して、それを見れば誰でもできるようなマニュアルを作る予定。フォーラム時に配布予定。

 

質疑応答(QA、*=意見)

Q.品川区、昼間人口と夜間人口の差は?

A.低地部は商業ビルが多い。

 

Q.津波自主避難マップ作成やワークショップは、住民以外の人を対象にしているか?

A.対象にはなっていない。企業の方からは、「災害時にどこに逃げたらいいか」といった問い合わせはきているが、区では回答していない。今回のワークショップは住んでいる人を対象にしている。

*自治会や地元のみで考えるのではなく、住民以外の人も巻き込んで行かないとだめなのではないか。

 

Q.堤防について。浸水予定地域の率は?

A.立会川について言うと、全範囲が整備予定地となっている。上流部は高さを確保している場所があるが、下流部は護岸に家が巻き込まれている箇所もあるので、実際の整備は難しい。

 

Q.ワークショップにおいて。津波以外の災害対策の話をするのか?

A.今回は津波に特化して行う。

*火災に対しての防災も、将来はあわせて考える必要があるのでは。

 

Q.マイマップの発想がおもしろい。具体的にはどのようなものになるのか?

A.マップのベースはホームページでダウンロードし、そこに自分で手書きで書き加えていくものになる。

 

Q.反応はどうか?

A.ふたを開けてみないとわからない。学校やPTAに参加を呼びかけている。

 

Q.ワークショップ参加への呼びかける手法は?ワークショップに来られなかった人のフォローは?

A.PRの媒体はちらしで行う。回覧板や町会掲示板に張り出して呼びかける。区の横のつながりで呼びかけてもらったり、連合長会長さんに話をしに行って参加を求める。ワークショップに来れなかった人には、マニュアルを渡してそれを見て参考にしてもらう。

 

Q.避難場所とされているところとの日頃の連携は?

A.学校が避難場所とされているが、低地部に建っているところが多いので、高台の保育園や地域センターに一時避難場所としてお願いする予定。

 

 Q.要支援者の方の防災はどうするのか、議論はされているか?

A.要支援者の方の避難等は、各町会にお願いしている。個人情報の問題から、お年寄りが住んでいる家等を地域に広く教えて大丈夫かといった懸念がある。

*災害の時に情報開示できる方法、契約を作る等工夫が必要。

 

Q.津波対策の避難訓練は考えているのか?

A.まだ、考えていない。マップ作りが最大の訓練になるのかもしれない。

*都心の開発が進んで道や建物が変わる可能性があるので、マップは更新し続ける必要がある

 

Q.プリントにて。想定されている津波の高さ2.61mはどうやって設定?

A.様々な検討、シミュレーションを重ね、最悪な場合を想定したものが満潮+2.61m

 

Q.防波堤を作る側と作りたくない側との住民間の対立はないのか?

A.住民間の対立はない。

 

Q.品川区は埋め立て地が多いが、3.11の時は液状化があったのか?

A.公園の一部が液状化しただけで、被害はほとんどなかった。東京湾の地形上、砂地が少なく岩盤が多いので埋め立て地でも地盤がしっかりしているのかもしれない。

 

Q.地図を作るのは一番始めのスペックで、東京湾の場合は警報が来て津波が来るまでの時間は?

A.151分(約2時間)はある。あくまで想定だが。

*あくまで逃げ方がスムーズにいった場合であって、何を持って行ったらいいか、ご高齢のかたの避難はどうするのか等事前に考えておければいいのだが。

 

〈研究会〉

 

資料:百武理事長作成資料、丸尾事務局長作成資料

「テーマ」:小冊子・本の構成内容の協議

前回の研究会の宿題であった、目次の@とAの

内容考察の結果発表と、「いっとき共助」の

「いっとき」に関する時間軸での変化について

話し合った。

 

別紙目次の、@、A、B、Cについて、考えてきた内容の発表した後、議論を行った。

 

■@についての議論

とくになし

 

■Aについての議論

時系列共助グループの時系列の説明をもっと丁寧に説明した方が良い

チームのコア会議メンバーにつながるような内容を明記した方が良い

いっとき共助グループは、不特定多数を言っているのであれば、「グループ作りは難しい」の中の、「自治会単位の自主防災組織の活動」を一生懸命やってもグループを運営するようになるのか?ならないと思う。事例としてはもう少しちゃんと説明した方が良いと思う。組織運営が出来なきゃいけないと言っているのなら、自主防災組織の活動とは違うはず。そういうポイントをきちんと明確にすること

 

■Bについての議論

野球型のマニュアルの説明を加えると良い

今の文章を読むと、1回野球型のマニュアルを作ってみて、それで臨機応変に対応できるかやってみると言いたいんだろうと感じた

 

■@〜B全体像についての議論

「緊急時にはマニュアルでは対応できないことも多いな」くらいの柔らかい表現で良い。役に立たないという表現はやめないか。

リーダーとは何か、を考えてもいいのでは

災害の時間軸について、どこのことを言っているのかわからない

 

Cについての議論

マニュアルで動かなくなっていることが中心に、もっと強調されていると良い

地域防災計画からはみでた組織なので、もっと説明が必要

全体会議はあっていいのだが、現実的には、避難所に段ボールで区切って生活せざるおえない状況の中で、どこで全体会議を行うのか。全体会議は理想ではあるが、現実的にはできるのか、疑問。現実性が全くないように思う。

みんなで集まって何かやるのではなく、情報の伝達の議論はあると思う

コア会議のメンバーが必ずとも正しい人々だけとは限らないので、全体会はあった方が良い。

不満について。そういうニーズについて何にもしてくれないという不満と、政治闘争の不満と2種類あるが、不満に対応する必要はないのではないか。リーダーを選出する段階で、そういう不満を気にしていることを前程にしない方が良い。

会計チームは必要か。お金を動かす事柄があるのか。会計チームはそもそも必要ない。避難所において現物支給はされるかもしれないが、それを行うのは行政で、自分達でお金をだして買ってくるものではない。

コア会議に対して不満がでたとしても、それを全体会議が全て組受けるのは違うと思う

今この紙で提案している内容は、今現実にあるもの、選挙制度と一緒ではないか

仮設まちづくりの話になると、この提言(いっときコア会議)とはまた違った組織、仕組みが必要になってくるし、自治体が仕組みや予算措置をする。コア会議で仮設まちづくりに対しての要望はできるけど、意思決定を行うのはあくまで行政。

災害発生時にできた、いっとき共助グループを、仮設・復興まちづくりにどうやってつなげるかという議論はあるが、それを全てコア会議で決めますということでは絶対にない。

今回の本では「いっとき共助グループの発足と運営」だけを詳しく書けばいいのでは

意見の吸い上げ方は全体会議だけではないのではないか

「いっとき」は、災害時たまたまそこにいた人や住んでいる住民が1つの避難所に集まった時に、右往左往しないようにコア会議を事前に作っておこうというのが、私達の主張だったはず。とすると、記載されているチーム(情報公開チームや避難所環境チーム等)は、避難所で避難してきた人に避難者カードに、自分が何ができるか記載してもらってそれを元に各チームを作って、人助けを行うのがいっときのチームでは。いっとき、いっときが積み重なって、チームの内容やコアメンバーは変わっていくのでは。

共助から公助に変わって行く段階において、いっときの中身は変化していくものだと思う。いっときのコアメンバーの一番最後の役割の1つは、災害が落ち着いて、仮設や復興まちづくりに状況が変化した段階において、行政に対して要望を出すこと、そこまでの時間軸を考えた「いっときグループ」になれたらいい

いっときグループは、最終的には、行政に意見を伝える役割は残るのだろう。その時に全体会議は必要。

状況が、移って行く時にコア会議の解散を書きたい。そういう事態で、どの時点で解散すべきか、決めておく必要がある

コーポラティブ仮設住宅があってもいい

もともと作った名簿からリーダーを作りますということを言っているのだから、それを前程で話を進めないと、不満があったらと言っていたらきりがない。誰がなっても不満がある人はあるし、ない人はないのだから。

「いっときグループ」は、仮設・復興まちづくりの前の段階、災害発生時の段階に重きを置いて考えるものだと思う。例えば、孤立してしまった避難所がなくなるように。

コア会議のメンバーが自治会のメンバーが中心となることを想定しているなら、わざわざコア会議と言わないで、自治会のメンバーでいいのでは。

→自治会のメンバーが被災していないと前程に考えないとだめだ。自治会と設定しない方がいい。実際、平常時でも自治会が機能してないところもある。

「いっときグループとは、自治会のリーダーが被災してしまって、組織として機能しなかった時のためのグループ」、と書いた方がいい。地域という空間にいる人々を対象として、メンバーになってほしいという目線で書いた方がいい。

連絡役としてコア会議があってもいいし、チームがあってもいいが、実際に動かすのはマニュアル通りにいかない

「いっとき」の名前や扱う空間範囲を、時系列に応じて変えてもいいし、丁寧に説明した方がいい

 

■その他全体に関して

震災直後はみんないい人(災害ユートピア)で、合意形成はすごくスムーズである。だが時間が経過し格差が生じ始めると、それぞれが自分の意見を主張しだすようになる。

人のつながりが変わってきてしまうので、どの時間軸を考えての提言なのか明確にした方が良い

実際の避難所では、市役所の人が避難所ルール(何時に消灯、何時に配分等)を貼っていて、統治がとれている

 

〈意見募集&次回以降議論すべき内容〉

「いっとき」について。一時的に集まって助け合った人々が、時間が経過するにつれ、どのように変化していく可能性があるか、各々考えてくる。

作成する小冊子・本が実際に使える手引きになるためには、どういう方面とどういう場面でどういう合意をとって作成するのが望ましいか、誰に対しての提案か、具体的に各自考えてみる。

合意形成や話し合いに関する、他のNPO団体を調べ、リンクがはれるかどうか調べる。(百武、竜野)

HPにのせたらいいと思うアイディアを考えてくる。

 

〈次回研究会日程〉

次回日程:623日(土)15:00〜 SHUにて 

内容:建設技術研究所の松本さんに被災地の合意形成の実情を聞き、議論を行う

 

今回参加できなかった方は、次回までに実際に災害がおこった時に、どういう共助が考えられるか(そこにたまたま居合わせた方々との)、また、その共助ができるためには事前にどんな場所と話し合えばいいか、考察してみて下さい。