201年度 合意形成研究会 研究会 議事録

 

日時:2011826日(火)19:0022:00 

場所:サロンSHU(西新橋)

出席者(敬称略):赤間、竜野、橋本、武、松岡、丸尾、柳島五十音順)

 

 

<決定事項>

 

〈テーマ担当〉

*減災のための事前計画(1「災害時における広域共助」と7「減災のための事前計画」 

 をあわせたもの)→橋本・竜野

*文化観光(3「復興を通じた文化の創造」と6「地域ぐるみの新たな観光スタイルの

創造」をあわせたもの)→丸尾・宮下

*新たなコミュニティの形成(テーマ表の4)→赤間・松岡・柳島

*災害に関する情報公開(「原発事故情報公開」を核として)→丸尾


〈次回以降議論すべき内容〉

各テーマで今後の検討すべき項目として以下の点を確認した。
なぜ合意形成が必要なのか
このテーマにおける合意形成の課題とは
合意形成を行う利点はどこにあるのか

合意形成を行うことで何がよりよくなるのか(合意形成を行わない意思決定方法がとられているとすれば原因はなぜか、事例はあるか)

 

〈次回研究会日程〉

次回研究会は」、105日(水)19時~ サロンSHUにて行う。

各テーマについて、再度意見(たたき台)を持ち寄りそれをもとに議論する。

今回参加できなかった方は、次回までに提示されているテーマの中から興味のあるテーマを決め次第、事務局までメールすること。

 

 

 

 

 

 

<議事録>

■ 前回、テーマ一覧から各自選択したテーマと合意形成についての関わり方を考察した結果を発表し、それについて意見交換を行った。(各テーマで提出した案については別紙参照のこと)

1.テーマごとの議論

テーマ1:減災事前計画

(1)議論

帰宅困難者を支援するための、必要な合意形成か?

災害時、被災した人は被災者でもあるが、同時に救助者にもならなければならない。実

 際はその時になってみないとわからないことがたくさんあるので、日頃からイマジネー

 ションをすることは大切。

災害時には帰宅困難者が多く発生するので、事前(平常時)に対応をどうしてあげるか

 ルール等決めようがあるのではないか。防災協定から始まるのかもしれないが。

東京で日中に大きな地震が起こり、日中の人口が全員避難者となり公共施設に避難して

 きた場合、収容する施設、供給する食料、トイレ等不足しているのは明らかである。政

 府の具体的な避難シュミレーション(どの公共施設にどれだけの人が避難できるか。

 物資は足りるのか。運搬ルートは。等)を目にしたことはない。現在ある防災計画は実

 態として機能するのか、合意形成を図って作成されているのか、問題を感じる。

地震が起きた時の時間軸(朝・昼間・夜間)をシュミレーションで確認する事ができれ

 ば、気持ち的にも物理的にも確認できないよりはだいぶ違うのでは。

→作っている自治体もあるが、数字で発表しているのみで、機能させるところまでいって

 いないように感じる。

おそらく国は、災害時にどれだけ被災者がでて帰宅困難者がでるという数字は持ってい

 るかもしれない。数字で把握しているが、対応はそれぞれ地域で行うという姿勢。地域

 の意思決定が出来るのは、地域の行政。その地域がどういう防災計画を出しているか、

 住民は把握しているのか。

東日本大震災の際、各企業が自主的に社員を会社に留まらせるという判断を行った。行

 政は、一時的に留まる事が可能な耐震性の高い建物を所有している企業を社会資本とし

 て捉える必要がある。行政の防災計画は「公共施設(避難所指定)に避難しよう」とい

 う視点で作成されているものが多いが、耐震構造になっていない公共施設も多い。収容

 できる人数も十分に検討されていない場合が多い。行政が作成する既存の防災計画は見

 直す必要がある。

避難所は公共施設だけではまかなえないので、「新たな避難所として使用してもいいよ」

 という企業(大企業)がある。そういう企業がある地方自治体と合意形成を図り、避難

 してくる人達に提供できるものを決定しているという事例もある。

行政と社会資本(企業や商店)の事前の合意形成がとれている防災計画ではないので、

 実際に機能できるものとは言えず、個の責任(情報や対応)で動かざるを得ないのが現

 状。

・災害が起こったとしても、企業は存続していかなければならない。 

今までは、防災対策と言うと「行政が考えるもの、行うもの」という意識があったが、

 東日本大震災を受けて「企業独自で防災対策を行おう」という意識変化が生まれた。実

 際には企業と行政がまだうまく連携がとれていない。また、大企業以外にも、中小企業

 が数多く存在する実状の中、減災計画につながるためにどうやって参画させ、合意形成

 を図っていくのか。いくつかのテーマにしぼって考えるといい。

帰宅困難者の対策は、今後の防災のキーになってくる。

困った時に助け合う精神をよみがえらせることができればいい。

社会的な合意形成をした後で、個人に戻すというしくみが抜けている。

ある自治体で防災計画を作った。自治体の長が一人で作ったが、東日本大震災であまり

 役には立たなかったと言っていた。計画をつくる手法を見直す、いい時期なのかもしれ

 ない。

消防署が中心となり防災対策について地域にある企業が集まって話し合いをしている。

 だが、話し合いの結果は防災計画に反映されるというものではない。企業間の集まりは

 消防の管轄であり、防災計画は市の防災課の管轄であるため、縦割り構造の組織で横の

 連携をうまくはかれていないケースもある。

地方自治法を見直せば新たな可能性が生み出せるかもしれない。(現在の法では、防災活動ができる団体が決められている。責任問題から)

災害担当員が各地域にあってもいい。

 

(2)次回までに考察してくること

「事前に合意形成をしておくとこれだけ被害が減る」「下記の主体同士がつながると、どういう可能性が生まれるのか」という視点で、今一度考えてくる。具体的な事実を持って合意形成の必要性を見いだす。

→国と企業間(個にどう戻すか)

→企業間の連携(大企業・中小企業・商店等。企業はここまでやれたという事例を調べて

 みる)

→避難者と行政間(今ある行政の防災計画の事例を調べてみる。足りないところはどこか。)

配布資料(地震防災対策の充実強化及び国民保護の推進に係る国への提案)にも、「行政だけで考えない方がうまくいきそうな」ヒントになるキーワードがいくつか書かれているので、それをベースに考えてもいい。

3.「国と九都県市が被災情報を共有できるシステムを、国において構築する。」

 もっとローカルなものを一括して考えてみる。

4.「域外からの救援活動等が円滑に行われるための拠点や帰宅困難者等の一時滞在施設と

 して、使用するための仕組みづくりを進める」

5.「発生時の基本原則の周知徹底」事前に合意形成を図っておくことで出来る

 

 

テーマ2:「新たなコミュニティの再構築」について考察結果の発表

 

(1)議論

「壊れてしまったコミュニティを新しいものと融合して、新たなコミュニティとして再

 生していく」という提案について。どんな人が結びつくのか?コミュニティ自体の定義

 を変えていくということなのか?どういうイメージを持っているのか?

→地域に今いる人と新しく参入する人との結びつき

→若い人が過疎化地域に定着させるために、新たな産業を生み出す必要がある

→今居る人と、新しく地域に参入してくる人の間で行われる合意形成は既存のままではな

 く、合意形成自体も新しいあり方が求められてくるのではないか。日本的+新しいもの。

被災している地域では人口が減ってしまっているため、新しい人の参入が求められてい

 る事は確かである

第二の故郷づくり(新しい祭りのあり方、コミュニティのあり方)

年老いて住みたいまちにするため、コミュニティは地域内のみでなく地域外の人達との

 連携が必要

人のあり方を考える。コミュニティは、誰かの力(かけ声)でまとまるのか、一歩ずつ

 少しずつ構築していくのか。

ふるさと納税とコミュニティの関係性

被害の内容や対応で、今まで表面に出てないために見過ごされてきた、「価値判断や日本のシステムがいろいろなところで老化し崩壊している」ということが現視化されたこと。(反省から始めなければいけないのではないか)

復興を考える基本的視点

中央集権型の組織、市場と政府のシステムの脆弱性が明らかになった。市民社会のシステム(市民自治の形成)を形成して防災に取り組まなければいけないのではないか。

既存の合意形成の手法でいいのか。例えば、ある地域で合意形成が図られようとすると、裏側にある利権構造により少数の反対意見等が表出しにくいという事例もある。合意形成を目的化したため、不都合や不具合は見ようとせず進めてしまう。合意形成を目的化せず、その過程で熟議(互いに意見を出し、尊重し、よく考えながら)することが合意形成につながる。「結果に合意する」のではなく、「プロセスに合意する」手法が本来の形なのではないか。

コミュニティを自治の基本単位として位置づけ、責任と権限を委譲する(都市内分権)

以前、CaPAが琵琶湖の北にある過疎化した漁村と関わった。歴史ある漁村(菅浦文殊

 が残されている)で世帯数は200世帯と比較的少ないが、時間をかける話し合いの場を

 何度も何度も根気よく設けて意思決定する、合意形成が行われている。少ない世帯数で

 も、熟議の意識さえあれば納得できる話し合いは出来る。

・合意を形成するプロセスとして、賛成とか反対という意見ではなく、事例を出し合い客

 観的に事柄を判断する手法もある。

・相手を理解することから始める

 

〈次回までに考察してくること〉

地域に今いる住民一人一人が自分達のまちという意識を持ち、新たな人が参入してくる

 ことを想定したコミュニティをつくるためにどんな合意形成があればいいのか、考えて

 はどうか。明文化した方がいいのか。

復興に向けた計画をコミュニティ単位で今一度見直してはどうか。窓口を作ってあげる

 のはどうか。

→領域をリストアップしてみる

    市ができること

    地域ができること

    専門家ができること(医者・保母さん・まちづくりの人等)

    個人ができること等

 

テーマ3:「災害時の情報公開のあり方」(「原発事故情報公開」と核として

(1)議論

災害で必要な情報はなにか?

→科学でわかることは事実であるため、合意形成を図るという視点ではない。

科学でわかることを情報として発信するプロセスにおいて、合意形成を図る必要があ

 る?

→科学でわからない事柄をわからないと言える情報公開が必要であろう。

→分からないことから始めるのが科学者であり、それを狭い社会で追求して論文を出すこ

 とが通例とされているのが今の社会構造。アカデミーのあり方を考える必要があるので

 は。

・分からないことを分からないと言い合えて初めて議論が開かれる。

サイエンス・コミュニケーション(東大のかみさとさんの例)

議論できる情報の出し方を検討する事が、CaPAができることなのではないか。

・「科学的に正しい」という考えは、人々は納得するのか?あまりにも科学的な文章があふ

 れている。科学的に表現する事が正しいのか。

情報として発信されている科学は信用性の高いものか、否か、受け手は読み解く力をつ

 ける必要がある。

 

政府の提案やマスコミが発している情報等、受け入れるか受け入れないか。例えば、原

 発事故の影響で放射線量が高いという数値が出たとしても、それでもいいからそこに住

 み続けたいという人もいる。危険だから他県に避難するという決断をする人もいる。ど

 ちらにしても、正確な情報が公開されれば、受け手は自分自身の判断で行動できる。最

 終意思決定を市民にゆだねることが、今後の社会において求められることだろう。

 

2.それぞれのテーマで検討すること

@ 当該テーマに関する問題意識(この部分をしっかり議論していきたい)

当該テーマに対してどのような問題意識を持っているのか、できるだけ客観的な状況を踏まえたうえで現状を報告して欲しい。なぜ各テーマが必要なのかも含めて。

A この問題意識を合意形成という視点から見た場合の課題

この問題意識はどうして合意形成という点と結びつくのか。

「だれとの」

「どのような」

「なんのための」

「どういった」

合意形成が欠けているから、こうなんだといったように、詳しく示すこと。

B どのような合意形成をすれば問題が解決するのか

C こうした合意形成を可能にする社会的な仕組み

D CaPAとしての役割について