201年度 合意形成研究会 研究会 議事録

 

日時:2011621日(火)19:0021:30 

場所:サロンSHU(西新橋)

出席者(敬称略):赤間、上杉、上田、岸本、竜野、橋本、武、松岡、丸尾、宮下、柳島

         横山、渡辺(五十音順)

 

   各自自己紹介

合意形成自体のプロセス、合意形成を行う運用のプロセスや仕組みについて、責任の所在等に問題を感じ、従来の方法では補いきれないのではないかと感じている

有識者だけではなく、一般の人達を巻き込む合意形成のしくみについて今一度考える必要があるのではと考える(子供と学校の間での合意形成の経験から)

■ 前回(2011.5.17)に配布した資料と話し合いを元に、“津波”に関する近況計画の時間軸マトリックスの資料配布。これまでの研究会一覧の資料を配布。百武理事長より説明。

   前回に引き続き、東日本大震災を受けてCaPAとして何ができるのか、ついて情報交

換を行った。

 

〈津波マトリックス作成について説明〉

東日本大震災で被害にあった県のHPを調べると、復興計画が進みつつある県とまだそ

  こまで至っていない県があった。復興計画が策定されつつある県においても、計画の段

  階から一般市民を交えて、という状況には遠い。宮城県名取市で6月、“名取市震災復興

  市民100人会議”を開催したが、その他のほとんどの県ではまず有識者会議をやった後

  に、市民の代表(肩書きを持った人)を交えて会議をしているようだ。

  企業参加も、目立った動きをしている県は見られないのが現状。

 

〈マトリックスについて〉

今回の震災は複雑な問題が複数からみあっている中で、CaPAでの議論やFacebook上で

  も、「今このことを話しているよ」と住所を明らかにして議論した方が何について話して

  いるのかわかりやすい。空間軸、時間軸ともに意識して議論しないと混乱するだろう

 

空間軸とは?

 →事象によって変わる。何について話しているかによって空間軸も変わる。

 →話をする時、どうしても自分の思いが入る。相手の話に応えているつもりでも、気づく

   と違う話にすり替わっていくので、住所を明らかにして話した方がいい。

→時間軸ごと(日・週・月・年)に現れる課題や空間は変わっていく。また空間軸を考え

   ると、身の回りの事から、集合体の村や市があり、郡や県、国レベルまで話が広がるが、

   どういう視点で誰がやるのか、どのくらいのスパンでやるのかということを明確にして

   議論した方がよい。

 

〈復旧と復興について〉

復興か?復旧か?復興と復旧を別に分けて考えているか?復興の中に復旧を入れている

  か?整理しないと議論の扉が開かないのではないか。

→捉え方にもよるが、時間軸で考えると復旧があって復興があるのでは。議論する上で、

  復旧の話をしているのか復興の話をしているのか明らかにした方がいいと思う。

 

・場所によっては復旧しないで復興した方がいいということもあるのでは?

→復旧が必要なところもあるが、復旧より復興をした方がいいところもある。復旧=元に

  戻す=人が生活できるレベルだと考える。

 

震災から3ヶ月経過し、震災疲れしている。自分に関係がある原発のことは考えるが、

  東北に親戚や知り合いがいない人は、東北疲れしてきているのではないか。早めにまと

  めて提言していかないと、関心が次第に薄れていく。

 

過去に向かっていく時間軸もある。起こったことや問題点を整理し、教訓にし、事前に

  準備しておくこともできる。

 

事象やテーマ、キーワードに合わせて時間軸をわけるのはどうだろうか。合意形成をテ

  ーマにすると、誰と誰の合意形成かが見えやすい場合と見えにくい場合があるので、見

  取り図を詳しく作成するよりは早くテーマを決めた方がいい。

 

被災している方々の生活が安定しないと、住民参加の合意形成は成立しないと思う。そ

  れをやってあげないと。

 

復旧の課題でやるベクトルと、復興の課題でやるベクトルはイコールではない。

→空間でみると、ベクトルがイコールなところもあるし、そうでないところもあるので一

  般論でひとくくりにして話すのはどうかと思う。個々の考えがあり、復興計画を策定す

  るプロセスに合意形成がある。

 

被災者同士の合意形成をしないと、復興は難しい。復興に伴っての合意形成が起こる。

 

〈神戸の震災との違い〉

神戸で成功した事例をそのまま取り入れることはできない。東日本と西日本のコミュニティのつくり方が違うので、風土的、文化的な要素も含めて考える必要がある。

 

東日本と神戸では、元々の生活圏のまとまり方が違う。(生活圏か通勤圏か)

 

今回の震災は、津波によって土地そのものが大きく変わってしまったので、神戸の震災

  とは違うのだということを頭において議論する必要がある。ヒ素などの有毒物質を含む

  海水をかぶってしまったところは汚染されている可能性があるので、それも考慮して復

  興しないといけない。

 

神戸の時は、地方行政はつぶれなかったが、今回の震災は地方行政が機能できなくなっ

  てしまった。そこから作り直していかなければならないし、新しく行政自体の作り直し

  をしないといけないように思う。

 

行政と住民だけでなく、民間企業も復興に向けてやることがあるのでは。危機管理+企

  業の利潤の追求する上での合意形成、1つの組織団体が作れたらいいと考える。企業ネ

  ットワーク等も考慮。

 

広域共助の企業間でのつながりも今後進んでくる

 

アニメ甲殻機動隊のような、1つの自治権をもった地域や社会構造を作る発展の仕方も

  考えられる。

 

人口減少と高齢化が進んでいる。被災地では、未だ行方不明者が見つからなかったり、

  又住んでいるところを失ってしまった人達が大勢いる中で、産業基盤も大きく変わる。

  エネルギー問題に関しても大きく変わる。

 

今までの発想ではなく、発想の転換をしないとダメだと思う。次の世代の時に立ち止ま

  らないためにも、住民含めて考えないといけないことを気づかないとダメ。

 

独創的なアイディアを出すには?事例に基づいてや、従来のやり方ではなく。

  部落や集落単位でのコミュニティが形成されているところは、コミュニティが生きてい

  て皆で助け合いができている。

→互いに意見を言いながら導きだせばいいと思う。小さなコミュニティが持つ性質、大き

  なコミュニティが持つ性質、その性質の違いが行政単位まで行き渡るには課題がある。

  構想を考える時は、抽象的なものでいいが、詳細の決定は頭の中できれいな絵を書いて

  いるだけではダメだ。

→きちんと整理せずに、いろいろな人がいろいろな事を言っているが、今回の震災の場合

  はきちんと整理して合意しながら構想を考えていく必要があるのでは。

 

従来の街づくりの合意形成を当てはめてはいけないと考える。

 

EPZ(緊急避難地域)について。現場の組長達の多くは、「国の指針が決まってないから

  何もできない」という発言を多く聞く。責任の所在(自治体か国か)が明らかでない今

  において、現実的な話を進めることが難しく、問題を感じている。

→制度も含めたシステムに問題があるのでは。

 

今回の震災でも様々な問題が複雑に絡み合っているため、判断を間違えることがあるの

  だから、計画段階でそれを修正するしくみを作る必要があるのでは。

 

一般の方で放射線を測っている人達がいるが、天候によって線量は変化するのに、何の

  ために行っているのか疑問に感じる。測った後何ができるのか疑問である。

→安心を得るためでは。

→行政が信頼を失っているのでは。初動の時、一番重要な時に政府が情報開示を怠ったた

  め、信頼を失った。

  →それ以前に、今までの原発に対する国の政策時点に問題がある。原発に対する住民の

    思考停止のしくみを作った政府の体制にも問題があるのでは。

→それを容認した住民にも責任があるのでは。

 

CaPAとして何ができるか〉

震災をきっかけに新しい合意形成の提言がCaPAで出来ると思って、この会に参加して

  いる。南三陸町では、国や行政の指導の下、復興のWSを初めているところもあり、現

  場での動きはすでに始まっているところもある。話し合いに困っているかもしれない。

  リーダーとして入る場合、その土地が安全か否かをこちらが判断せず、スピードだけに

  乗って走らされている自治体に対して提言できることがあるのでは。年スパンで変更可

  能な、ゆるい合意形成をひな形でもいいからどこかの街でやってみながら進んでいく方

  がいい。テーマが定まった時点で、CaPAができることがあると思う。

 

CaPAとして新しい合意形成の提言ができる。

 

CaPAとして提言するのはそんなに急がなくてもいいのかもしれない。きちんとプロセ

  スを踏んで広い視野で提言した方がいい。

緊急事態の合意形成が行われている事象を検証して、「もっといいやり方があるのではな

  いか」、と提言するやり方がいい。

 

CaPAとして直に関わり合うことはできないので、例えば、仮設住宅などで行われた合

  意形成を各仮設住宅のリーダーから聞いて、一緒に学びながらその場に合った合意形成

  を助言していく方法(下から議論を積み上げる)もある。

 

現場において、「もう政府に頼れない」、と、各々が何かを決めていく時に合意形成が必

  要になるので、そこにCaPAが入り込める可能性がある。

 

間違えた時に修正できるしくみを作らなければ、どんなに素晴らしい合意形成を図った

  としても、それは完成ではない。

 

間違えることの恐怖感がある。間違えても良くて、その時どうすればいいかのしくみが

  あれば補正していける。間違えを認め合う寛容さが日本の社会に求められている。

 

必要とされる全部の合意形成を一人が全て行うことはできないのだから、誰かに委託し

  たら、その誰かを信じる勇気が必要。今の政府、行政を信じてあげる。間違っていたら

  指摘してあげる。そういう関係が必要だし、Facebookなどで信じられる情報をCaPA

  して発信してあげることもできる。信じるソースを作るのが重要なのではないか、と考

  える。

 

信頼関係の背景があること=合意形成が生まれる。合意を得て決めた事柄でも、間違っ

  ていたら変更できる話し合いをすることが、信頼関係を作る。「あの時こう言ったじゃな

  いか!」という責め合いの合意形成では信頼関係はできない。

 

合意形成というより、「納得づくり」がキーワード。

 

東京であっても震災前と後で、様々な年齢層の人々が、互いに助けよう精神が芽生えて

  いる。人々の意識の変化を感じる。

 

■ 次回研究会は、719日(火)に行う。